何を評価対象にするか

自己開示で心を開いてもらう

面接というのはある意味で異常な場です。パっと会ったばかりの人に自らの人生を語り、そしてそれが選考基準となるわけです。選考ということで、選考する側がかなり強い立場になるということもあって、普通であればぶしつけで聞けないようなこともバンバン聞かれる場です。そんなシチュエーションで候補者が、心のままをそのまま出せるかというとそれは難しいことものです。

基本的に、本音や深い話が聞きたければ、自分が同じ深さまで降りていくしかありません。どこまで深い話をすればいいのかと言えば、例としては生育史が代表的です。自分がどこで生まれ、幼い頃はどうだったのか、小中学校はこんな感じで大学時代はこうだったということを話すことは、自己開示として効果的です。しかし難しいのがタイミング。登場していきなり、「小学生の時は~」と話しだすと、それはおかしなことになります。

では、生育史を語るのはどのタイミングなのか。そのチャンスは入社動機を聞くときです。採用面接において入社動機は必ず聞く質問です。

このように人材フロー戦略の確立によって、おのずと採用方針も決まってきます。そして採用後の配置や異動、社内教育なども決まってくるのです。自分がどういう幼少を過ごし、学生時代を過ごし、現在の会社の理念とどのようにマッチして入社に至っているのか。そのことを自らが先に語ることで、「それであなたは?」と本音に近いレベルで聞くことができるのです。また、生育史を語ることの副産物的メリットとして、郷里などの共通点が現れることがあるというものがあります。

率直な主観を話してもらう

繰り返しになりますが、時に露出狂のように自らを開示しなければ相手からも開示してくれません。自己開示によってリレーションが構築されたら初めて、相手から情報収集することができます。そしてこの情報収集は、ジャッジとは全く異なる観点から行う必要があるのです。ジャッジでは具体的・客観的事実のみを聞きますが、情報収集では相手の主観や妄想、思い込み、偏見といったものをどれくらいダウンロードできるか、という点が重要です。

情報収集で気をつけなくてはならないのは、議論をしてはならない、ということです。主観や思い込みを語ってもらうと、「いやいや、それは違うよ。なぜなら~」と言いたくなってしまうものです。しかし議論をして、相手を負かしたとしても、相手が変わることはありません。議論を始めた段階で、相手は本音を言うことを止めてしまうのです。
→情報収集の詳細、面接で聞くべきこと・聞いてはいけないこと等はコチラの記事へ

口説かない口説き

いい人、採用したい人が居たとして、心理としては自社をアピールし、すぐに口説いてしまいたくなるものです。しかしそれは、あまり良い結果をもたらさないことが多いです。口説くために重要なのは、口説かないことです。口説かないということをイメージするのであれば、キャリアカウンセリングが近いでしょう。話の中に自社だけではなく競合となるA社、B社も含めて話します。そしてその中で、彼・彼女のキャリア像に近いのはどれか、ということを話していきます。

この段階で最もやってはいけないこと。それが自社と競合他社を比較することです。採用における愚の骨頂とも言われます。自社と他社との比較は、ともすると候補者が他社、面接者が自社という対立関係を生む原因となります。これではフラットにはならず、良い結果をもたらすことはありません。つぎに、口説かずに褒める、ということがベタですが効果的です。

3行まとめ

分不相応な採用は、自己開示、情報収集、説得勧誘という順番で。
自己開示でリレーションを構築してから情報収集を。
口説かない口説き。

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人事採用・組織化研究所

人事採用・組織化研究所

投稿者プロフィール

【監修】曽和 利光
株式会社人材研究所 代表取締役

■略歴--------------------------------------
1995年
京都大学教育学部教育心理学科卒業後、株式会社リクルート入社、人事部配属人事コンサルタント、人事部採用グループゼネラルマネジャー等を経験
2009年
ライフネット生命保険株式会社、株式会社オープンハウスで人事部門責任者
2011年
株式会社人材研究所(Talented People Laboratory Inc.)設立代表取締役社長に就任、現在に至る

■お問い合わせ---------------------------
組織人事、人材育成、組織開発などに関するご相談は、人材研究所までご一報ください。
株式会社 人材研究所

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