採用活動におけるその他の無意識のバイアス

近接性(そばにいる)とは

単純接触効果というものがあります。これは、自分があるものに対して接触する回数が多ければ多いほど、親近感を持ってそれを好きになりやすい傾向になることを示しています。よって、採用活動において候補者とたくさん会うことは、何事にも代え難い絶対的なパワーを持ちます。しかし、その一方で採用活動において候補者にたくさん会うことは、採用のスピード感を落とすことも同時に意味します。そこでスピード感を落とすことなく、候補者と会う頻度を高めることが大切になってきます。

また、アソシエーション(関連付け)理論というものが存在します。これは一緒に過ごした時の感情とその相手に対する感情を結びつけることを表しています。そのため、候補者を社内のイベントに招き楽しい時間を過ごすことで、自社に対する帰属意識を高めることへと繋がります。

統制性(コントロール)とは

候補者に対して公平な立場で接することで、相手に「この人は本当に自分のことを考えてくれているな」と良い印象を与えることができると以前述べました。しかし、フラットな立場で接するメリットは他にもあります。それは、興味加減の法則が存在するからです。これは、相手への興味が小さい方が主導権を握ることを意味しています。したがって、候補者への興味はできるだけ抑えることが重要です。

他にもゲイン・ロス(増加損失)の理論というものがあります。これは悪いことが追加されていくと、最悪な印象しか残さないことを意味しています。例えば、学校でいじめ自殺などの不祥事が発覚した時に、記者会見で校長先生が「いじめがあることはわかっていませんでした」と発言したとします。しかし、その3日後に新たな事実が発覚して「ある部分は認識しておりまして」と発言を変更。そして、もう少し経った時に「実は教師が加担していました」と次々に悪い部分が後付けされて、最悪な状況を招いてしまいます。したがって、悪い部分があるのであれば、最初から包み隠さず全て話すことが重要です。

3行まとめ

できるだけ面接の回数を多くし、テストの難易度を上げることで自社に内定することの希少性を出す必要がある。
スピード感を落とすことなく、候補者と会う頻度を高めることが大切。
悪い部分があるのであれば、最初から包み隠さず全て話すことが重要。

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人事採用・組織化研究所

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投稿者プロフィール

【監修】曽和 利光
株式会社人材研究所 代表取締役

■略歴--------------------------------------
1995年
京都大学教育学部教育心理学科卒業後、株式会社リクルート入社、人事部配属人事コンサルタント、人事部採用グループゼネラルマネジャー等を経験
2009年
ライフネット生命保険株式会社、株式会社オープンハウスで人事部門責任者
2011年
株式会社人材研究所(Talented People Laboratory Inc.)設立代表取締役社長に就任、現在に至る

■お問い合わせ---------------------------
組織人事、人材育成、組織開発などに関するご相談は、人材研究所までご一報ください。
株式会社 人材研究所

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