返報性と一貫性による無意識のバイアス

一貫性による心理バイアス

無意識のバイアスに一貫性という心理バイアスもあります。一貫性とは、一旦選択したことに対して、困難を乗り越えてでも続ける責任があると思うことです。

一貫性の心理バイアスには、フット・イン・ザ・ドア・テクニック(段階的要請法)というものが存在します。これは、先ほどのドア・イン・ザ・フェイス・テクニックとは逆にハードルの低い要求からしていき、最終的に妥結点に持っていくやり方です。イメージとしては、例えばAさんが家電量販店の「先着5名様パソコン1台3万円」とチラシを見たとします。そこで、Aさんは家電量販店へ行きましたが、既に5台が売り切れていました。しかし、パソコンを買うという承諾をAさん自身の中でしてしまっているので、隣の10万円のパソコンを買って帰りました。これが、一貫性です。

一貫性を採用活動でどのように活かすのか

これを採用活動の中で活かす場合は、まず候補者の要求に合う自社の共通点を探します。例えば、候補者が大きい仕事をしたいという理由で商社を志望していたとします。その時、その候補者を自社に取り込みたいと考えたら、「商社と同じように自社も大きい仕事ができます。なぜなら○○だからです」と伝えて下さい。まずこれで候補者に対して、自社は商社と同じように大きい仕事ができるからいいなと思わせることができます。そして、その後で「自社には△△な面もあれば、□□な面もある」と違う柱を構築していき、最初にフックした話はフェードアウトさせていきます。その結果、自社は自分にとって良い会社という候補者の中で承諾した印象だけが残ります。また、その根拠が商社と差別化された別の理由によって形成されているので、自社に対する志望度を強くすることになります。

3行まとめ

無意識の心理バイアスを活用することで、採用活動を円滑にする。
返報性の性質を活かして、あえて最初に高いハードルを要求する。
一貫性の性質を活かして、最初に難易度の低い要求をする。

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人事採用・組織化研究所

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投稿者プロフィール

【監修】曽和 利光
株式会社人材研究所 代表取締役

■略歴--------------------------------------
1995年
京都大学教育学部教育心理学科卒業後、株式会社リクルート入社、人事部配属人事コンサルタント、人事部採用グループゼネラルマネジャー等を経験
2009年
ライフネット生命保険株式会社、株式会社オープンハウスで人事部門責任者
2011年
株式会社人材研究所(Talented People Laboratory Inc.)設立代表取締役社長に就任、現在に至る

■お問い合わせ---------------------------
組織人事、人材育成、組織開発などに関するご相談は、人材研究所までご一報ください。
株式会社 人材研究所

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